本編(リレー企画)

ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第十六話

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詠羅さん原案でのリレーシナリオです。

前回の話

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ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第三話

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ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第十四話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第十五話

第十六話


著:詠羅さん



感じたのは流れ込んでくる熱だった。
熱はじんわりと素体を温め、記録された情報の後に続く。
起動されたシステムが始めに行ったのは、自立システムの起動だった。
自立システムはDEMがマザーより独立し、自身で異常を知るために作られた、言わば生きる為のプログラムだ。そのプログラムが、現在の素体に異常がないかチェックを始める。
起動に問題は無いか否か、修復が必要か否か。またそれが休息によって修復できるものかどうか。
自立システムは、素体に異常がないと判断し、パーソナルシステムの起動を始める。
本来ならまっさらな記録媒体に、自立システムが素体に応じた新しいパーソナルシステムを書き込むのだが、記録媒体には既にパーソナルシステムが存在していた。
自立システムは既に存在するパーソナルシステムを上書きし、新しいパーソナルシステムを書き込もうとしたが、既に存在したパーソナルシステムは、自立システムと接合し、起動する。

パーソナルシステムが起動した事で、DEM・SetaRicaはゆっくりと目を開けた。
覗き混んでくる銀髪の男は、目元を真っ赤にして涙を数滴こぼす。

「せた、りかぁ……」
「ばか! はやいだろ……」

退場させられた銀髪の男にかわり、茶髪の女性型DEMが視界にはいる。
SetaRicaは即座に、二人を照合した。
記憶媒体にある情報、かれらの名前を自身は知っている

「ロディ、ヒルダ……」
「!!」

声が出た。まだあどけない少年の声だった。
そして、さらに記憶媒体に残る情報から、彼らとの関係性をようやく理解する。

「ただいま……!」

ロディは声を上げて、彼へ抱きついた。



※※※



秋が近い残暑。
カナトは自身の庭で、1通の手紙を受けとっていた。
セタリカだ。
素体を持ち帰り、通常のDEMとして再構築された彼は、今やもう普通の冒険者として生活しているらしい。

「カナト、なに読んでんの?」
「SetaRica殿からの手紙だ、あれからロディ殿達と別れ他の冒険者と活動しているらしい」
「へー……」
「通常のDEMとは違う生まれ方をしているせいか、人間の言葉のバリエーションの豊富さに苦労しているそうだ」
「なんだそれ?」
「しゃべり言葉と文章の違いが分からないらしい」

ジンにはよく分からなかった。
カナトはジトめで此方を睨み、ジンは目をそらす。

「貴様も冥界では良くやったとルナから聞いた。一応は感謝している」
「一応ってなんだよ。ちゃんと感謝しろって」
「……そうだな。ありがとう」
「へ……」
「なんだその反応は……」

あまりに素直でジンも返答に迷う。
ルナが何を言ったのかは知らないが、悪い気はしない。
カナトがそっぽを向いて、再びコーヒーをすすっていると、突然、庭がガクンと傾いた。
傍にいたルナがカナトを庇い、ジンもバランスをとる。

「なんだ!?」

ジンが家から飛び出すと銀髪にジャケットの男が庭にめり込んでいて、数秒動けなくなった。
カナトの意思で低めの位置にあるこの庭は、上空の庭を見上げる事ができるが、この銀髪の男はどうやら上の庭から降ってきたらしい。
冥界の事件から、カナトはロードと家事の話で意気投合し、ご近所付き合いが深く彼らとは庭の距離がないのだ。

「またっすか……、ロディさん」
「ごきげんよう、ガンロディ殿」

突然現れたガンロディは、手だけでピースサインを作り、再び気絶する。






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