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本編(リレー企画)

ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第十五話

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詠羅さん原案でのリレーシナリオです。

前回の話

ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第一話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第二話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第三話

ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第四話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第五話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第六話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第七話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第八話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第九話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第十話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第十一話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第十二話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第十三話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第十四話

第十五話

著:詠羅さん



捕縛したジブルが軍艦島地下にへ戻ったと聞き、ロードはウェストフォートに戻る前に地下へと急ぐ。そこには、服を若干汚したジンとガンロディ、片腕を失ったヒルダもいる。ロードに気付くと各々手を振ってこちらに笑顔を見せる。その後ろを瓦礫の如くひしゃげた強化外装ロボと、見慣れた橙色の装甲をまとった片腕が、カートに乗せられて通り過ぎていった。

「何があったんですか……っていうかヒルダさんその腕」
「ああ、大丈夫大丈夫。あたしらは三種族と違って破損した部分の感覚を一時的にカットできるからさ。まぁ・・・ちぎれた瞬間はすごい痛かったけど」
「ったく、無茶するよなーお前」
「それを言うならお前もだろーが!運動不足のひょろい体してるくせにあんなむちゃくちゃしやがって。包帯だらけの癖に軽口たたいてんじゃねぇ!」

平気な顔をして小突きあういつもの二人ではあったが、ロディの額の包帯には血が滲んでいるし、それ以外の場所にもあちこち傷パッドが見える。ヒルダのほうなどは右腕が肩からそぎ落とされている。相当に激しい戦いだったことが、容易に想像できた。

「よかった、みなさん無事で・・・本当に」
「おいおい、感動の再会?でうれしいのは分かるけど泣くのはやめてくれよ。どうすりゃいいのかわかんなくなっちまうだろっ」

二人が無事であったことに、ロードはたまらなくなってうれし涙を流す。
泣きだした彼に動揺し、銀の頭を掻き乱して照れ隠しをするロディと、笑みを浮かべて残された左手でロードの頭を撫でるヒルダ。

ジンは、少し離れた位置でそんな冒険者たちを眺めている。

ふと、ロードが涙を拭きジンに向き直る。

「ジンさん、ありがとうございました……彼らを守ってくれて」
「俺? 俺は特に何もしてないし……」


ジンのその言葉を聞いて、ロディとヒルダは顔を見合わせる。

「おいおい、そんなわけねぇだろ。お前すんげー大活躍だったじゃん」
「そうだぜ、このバカマエストロよりも100倍役にたってたよ」
「ちょ、ヒルダちゅわん。俺だってがんばったじゃねーかよぉ!」

ヒルダの発言に隣でごねるロディ。

特に何もしていない。そんなわけはない。相手のバリア展開の一瞬の隙をついた適格な攻撃。
敵機の駆動部を止め、相手を煽り冷静さを失わせたり、むしろおおいに活躍したと言ってもいい。

ロディとヒルダは自身の素直な気持ちから、ジンをほめた。ほめるつもりだったのに、なぜか最後はいつもの小突きあいになってしまっている。

「・・・いや、俺は何にもしてないっすよ」

と、謙遜をするジンであったが、褒められて嬉しくないかと言われればそうでもない。
少し顔がにやけ面になりかかっていたところで、いつの間にか足元に来ていた狼が服を引っ張る。
調子に乗るなよとでも言いたげである。

「本当、みんな無事でよかった。・・・でも、結局ジブルの目的ってなんだったんでしょう?」


再会を喜び合ってしばらくしたあたりで、ロードがふと首を傾げた。
それにつられて、その場の三人と一匹も同様に首を傾げる。

「あ、そいや。聞いてなかったなぁ」

旧支配者の殺戮命令に支配されたDEMたちを使って、彼がやろうとしていたことは何だったのか。

「聞いてみたらどうだい? あっちのテントに連れて行かれたさ」

ヒルダの指差した先には、捕虜を留置する為のテントがあり、ロードは意を決してそちらへと歩を進めた。
見張りの部隊員とレジスタンスは、1度ロードを止めたが、部隊員がパラベラムの末裔だと聞くなり、レジスタンスを説得しロードを中へ入れてくれた。
神聖魔法の特殊な錠で捕縛されるジブルは、動く事すらままならない様子で、此方を睨む。

「誰だてめぇ……」
「僕は、ロード・パラベラム。元四天王たるフラン、アッシュ家に続くパラベラム家の末裔です。貴方は僕と同じ四天王の末裔にも関わらず、何故この世界へ反逆したのか聞きたい」
「ほぅ、パラベラムか。懐かしい名前だね。父さんからよく聞かされたもんだ……。こんな形で出会うなんてなんてなぁ……」
「何故、ドミニオンを? 僕達は冥界を、彼らを守るために有る立場なのに……」
「あ? その守るべき連中が、宿敵となれあってんじゃねーか」
「!?」
「俺は調べたんだ、過去の大戦後にレジスタンスの一部のやつらがマザーとつながりを持ったことが分かった。マザーはシステムから外れるように呼びかけをしてみる……? はははっ!今更なにを言っていやがる!そんなことをしたところで、今まで犠牲になった同胞は家族は恋人は戻ってくるのか!ふざけるなっ、今更虫が良すぎるんだよ!」
「……!」
「俺は思った。こんな腑抜けたことをいうレジスタンスは要らねえ、身内を殺された奴をホイホイ許すなんて、そんなん正気の沙汰じゃねえ!」
「……」
「平和な世界に逃げたあんたは理解できないだろうな。これは洗浄なんだよ! DEM共に毒された連中を殺し、清潔な世界にする!! そうしたらみんな救われて平和になる。俺たち四天王の誇りが果たされるだろ!!」
「そんな方法、間違ってます……。分かり合って、手を取り合おうとしてるからこそ戦いか終わっていたのに、貴方のやろうとした事は、DEMたちと人間の可能性を全て摘み取ってしまう」
「甘い、甘いんだよ!そんなんだから一番先に滅んじまったんだお前の一族は!なにが名将パラベラムだ!こんなアマちゃんが跡取りに生まれるぐらいだ滅んで当然さ! その背中を刺されても恨むんじゃねぇぞ!それはお前の言う分かり合いの結果なんだからな!!」

ジブルは声を上げて笑っていた。
彼の言葉に間違いはない。
今の冥界もDEM達を受け入れる皇国派とそれを完全に拒否する改革派に二分されているからだ。
戦いが生じないのは、同族で争う事に無意味さを得ているからに過ぎない。
この微妙なバランスは第3の組織たるエミル界が関わる事で更に複雑になるだろう。
エミル界から動く唯一戦力は、治安維持部隊。
彼らはDEM達に親交が深く、改革派と関わる可能性は少ないが、ジブルを彼らが捕縛する事は、一つの意味を持つ。

「参ったな……」

終戦しウェストフォートのモニタールームで、エミル・ガーディアンのキリヤナギは、第一皇子ベリエル。第二皇子ベリアルと共に、ロードとジブルのやり取りを聞いていた。
ジブルを捕縛し、処遇や身柄を話し合っていた傍、ジブルは改革派の思想を口にしたのだ。

「極端な考えであり、俺達も許しがたいものではあるが、DEMを許さず冥界をドミニオンの世界とする意味では連中と同じだな」
「……」
「さぁ、どうするキリヤナギ。ジブルを連れ帰れば、改革派の連中が敵に回るぜ?」

同じ思想のジブルを治安維持部隊が連れ帰れば、改革派は、治安維持部隊から見捨てられたとみなされるだろう。
これはつまり、エミル界は改革派にとっての敵だととられかねない。

「一度本部に連絡するかい? 俺はいいぜ。あーでも、電波時差はあるだろうし、好きなだけゆっくりしていけよ。3日とは言ったがきにすんなって、泊まる場所もちゃんとあるしなぁ……!」

あからさまな態度に腹も立つ。
しかし、難しい問題だ。
連れば冥界でのキリヤナギの立場が危うい、連れ帰らなくても立場が危ない。
今後冥界に来る機会を作らないなら、このまま連れかえっても問題はないが、カナトを見ると頭痛がしてくる。
あの雇い主は、また周りを言いくるめてきそうだし、人生何が起こるか分からないからだ。
どうしたものかと、頭を抱えていると部屋の外から足音が聞こえてくる。
レジスタンスに案内されて入って来たのは、スィーを連れたカナトだった。

「失礼する」
「監査……?」
「天界人さんかい? どうしたんだ突然」
「いえ、先日お伝え損ねたことを申し上げに来た次第です」
「伝え損ねた?」
「えぇ、実はエミル界と天界より、冥界へ寄付金がございます」
「は……」
「僅かではありますが、これを天界とエミル界の友好の証として貴方方へ献上したい」
「そ、それは有り難いが……」

キリヤナギが言葉を失っている。
帰るための最後のカードだ。

「天界とエミル界より集められたこの寄付金を、皇国派、改革派の両組織へ山分けして頂きたいと思っている」
「ちょっと待てよ。あんた天界人だろ? なんでエミル界の寄付金なんて……」
「私の父が、エミル界へ在住していた際に集めた物です。私が赴く際、是非渡して欲しいと……」
「そうな、のか……」

キリヤナギが涙目になっている。
何もかも諦めようとしていたのか。大袈裟だと思う。

「我々が改革派と接触する事は可能ですか?」
「さぁな、呼べばくるんじゃねぇか……。一応伝達は飛ばしてやるよ」
「感謝致します」

「カナトぉ……」
「何を泣いている。騎士たるもの涙は見せるな!」
「ごめんなざい……」

その後ジブルは予定通り連れ帰ることになり、寄付金も改革派に手渡された。
元四天王の一人アッシュ家が主導たる改革派は、誠実に挨拶を行うと、静かにその取引を終える。

ゆっくりと発進し、次元航空にはいる城をベリエルは眺め見送っていた。
エミル界と天界が敵ではないと示すには、寄付金が十分すぎるカードだ。

「してやられたな」
「まだ諦めてなかったのかよ。兄貴」
「いや、絞れるだけ絞れたから満足かね。お人好しばかりで今回は助かったさ。是非また来て欲しいもんだ」

ベリアルはふたたび空を見上げ、消えて行く庭を見送る。



※※※



「ぁぁぁ。帰れないかと思ったぁぁあ」
「全く、ジブルの動機を考えればわかるだろう」
「わかんないよ。知らないよ! ただの狂った人かと思うじゃん!!」

飛空城の搭乗席で、キリヤナギはカナトの膝枕で涙を流していた。
目の前のジンは何も言えずそれを眺め、グランジな黙々とサンドイッチを頬張っている。

「寄付金なんてどこであつめたの?知らなかった……」
「こちらに来る前に父上から渡されたものだ。父はエミル界に居城を構える前から冥界を憐れみ、冒険者や一般冒険者から少しづつ集めていたらしい」
「居城を構えるまえって……」
「軽く見積もっても200年分だな。こちらに戻るのが難しい場合に使えと渡された。寄付金と言う形でなくとも、冥界にわたるなら同じであると」

200年と言われ、キリヤナギとジンが黙る。
寄付したタイタニア以外の種族はもう存在しないからだ。

「だが持ち込んだもの全てを使わざるえなかったのは、こちらの敗北だろう」
「君がお人好しすぎるんだよ」
「貴様にいわれたくわない」

キリヤナギはずっと泣いていた。
緊張が解れたのか安心したのかは分からない。
しばらくみているとカナトは船を漕いでいて、キリヤナギは泣き疲れて眠っていた。
グランジは、今度はお土産らしい奈落饅頭を食べている。

「まずい……」

残さないのは感心した。
グランジが代わりに見ていてくれるらしいので、ジンは一人。一般客室へと足を運ぶ。
広い個室には、ガンロディがソファで眠っていて、テーブルには一つのケースが放置されていた。
ロディがマザーに持たされたこのケースには、再構築されたセタリカの記憶媒体が入っている。

セタリカの記憶が記録された記録媒体と分解された素体とコア。
ウィルスによって破壊されたDEMの生産レートはすぐには回復が出来ず、マザーは代わりにエミル界で組み立てが出来るよう、全てのパーツを寄越してくれた。
エミル界で組み立てれば、セタリカは蘇る。
ガンロディはそう信じてそれを受け取った。
記録媒体たけであり、中身の全ては違うため同じだとも限らない。
だがロディは信じていた。セタリカにまた会えると、

ジンはしばらく様子をみて、何も言わず自室へともどる。






つづく
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