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本編(リレー企画)

ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第十二話

 ←ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第十一話 →ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第十三話
詠羅さん原案でのリレーシナリオです。

前回の話

ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第一話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第二話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第三話

ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第四話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第五話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第六話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第七話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第八話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第九話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第十話
ヘルズ ドミニオンズ 復讐のコア:第十一話

第十二話


著:詠羅さん



日が昇る冥界の午後は、昼であっても薄暗く淡い満ちているとアークタイタニア・カナトは感想した。
冥界の会議から一夜明けて、ジンを送り出したカナトはキリヤナギとグランジ、ロードとともに西アクロニア平原のレジスタンス駐屯地で待機していた。
キリヤナギとグランジ、ロードはベリエルの弟たる、第二王子、ベリアルと会議机を囲み、敵の進軍に備えている。

「DEM部隊は三時間後、本拠地のデムロポリスからこの平原に進軍してくる。俺たちはここで向かいうち、食い止める」
「DEMの進軍の余波があると聞いていますが、その情報はいつもどうして?」
「ウェストフォートのバリアへのサイバー攻撃だ。連中は進軍前にこちらを分析する為に進入を試みる」
「なるほど、それで破壊できないために、総力戦になると……」
「そうだ。今回はレジスタンスが500人。治安維持部隊から100名だが……」
「他の区域への進軍の可能性は? アイアンサウス方面も奪還していると聞きましたが」
「あっちは改革派の陣地だ。俺たちが何もしなくても勝手に守る。だが、敵は無限製造されるんだ。お前たちが派遣した斥候が仕事するまで耐えるしかない」
「ご安心を、私が抜擢した優秀な近衛騎士です。確実に為すべき事は果たしてくれるでしょう」

よく言ったものだと、カナトは離れたデスクでため息を落とした。
デバイスと向き合い、システムの確認や進入経路を探っている。
手間はかかるが順調ではあり、気持ちの余裕は十分だが、キリヤナギの横に並ぶロードが、ずっと黙っている。
元軍属のパラベラムの末裔として残ったロードだが、当然のように軍の指揮など初めてだ。
戸惑うのも仕方がない。

「どう攻める? キリヤナギ」
「……まず罠を張りましょう、それと平原に、深さ50センチから1メートルの穴を掘ります」
「落とし穴か?」
「それも踏まえていますが、比較的防御力の高く高性能なDEMは四輪駆動だと認識しています。それを踏まえれば、多少の足止めは出来るでしょう。歩行型DEMに備え岩やバリケードも忘れず」
「ほう、偉く慣れてるじゃないか」
「エミル界にこれを模したゲームがあり。一時期趣味としていました。この立場となり、参加する機会もなくなりましたが……さておき、防衛戦ならばこちらが有利です。張れる罠は張りましょう」
「構わないが、穴や溝を作るにしても、三時間じゃ流石に無理だろう。そちらの部隊全員が、これから休まず掘ってくれるのか?」
「すでに手配はしています」

キリヤナギは、ポケットのデバイスを取り出し、無線通信の回線を開く。
冥界にはサーバーがなく基本通信の殆どが使えないため、位置情報は持ち込んだ危機からの通信となるが、エミル界にある物ほど膨大な情報は扱えない。
限られた範囲での必要最低限の通信だが、連絡するには十分だ。

キリヤナギはデバイスを耳に当て自らの騎士へ通信を飛ばす。

「”ご機嫌よう。キリヤナギ総隊長”」
「やぁ、セオ。調子はどうだい?」
「”悪くありません。しかし、砂地の黄砂が気管にはいりますから、あまり良い環境とはいえませんね”」
「そっか。みんなにマスクとか配って対応するように伝えてよ」
「”分かりました。所で先程の件は?」
「ああ、いいってさ。全力で、できるだけ深くえぐって」
「”仰せのままに、我が王よ”」

キリヤナギが通信を落とし数秒だろうか。
突然空が唸りだし、ベリアルとキリヤナギはテントから出た。
キリヤナギは、上空に停泊した小型の庭を見つけると、そこに立つ一人のエミルを凝視する。
彼は今、連絡をとったばかりのエミル・アストラリストのセオだ。

「ここへ、ル・フェイ」

呼ばれた名前に応え、インストールされたシステムが起動する。
一瞬金髪の女性を写した杖はセオの手の中の武器となり、それを作り出した。
四大精霊との契約により成り立つその力は、強い魔力によりさらに上乗せされ、天空からそれを呼び出す

「エレメンタルレイン!!」

雲を突っ切り、四大属性の星が落下する。
召喚された隕石は、天空より落下し広大な平原へクレーターを作ってゆく。
またその衝撃で、床が揺れているのがわかった。

「……派手にやるな」
「今は時間が惜しい時です。こちら側の戦力が1000も行かない以上、何万の戦力へ立ち向かうに為にはそれなりの火力も必要でしょう。罠やトラップの器具は持ち込んだ物がありますので、そちらの設置にもご協力を」
「何から何まで悪いな……助かる」
「こちらも、失いたくないのは同じです。損害を出さない為にも、出来るだけ敵と接触せずに殲滅しましょう」

話が進むなか、間にすら入れない。
ロードは一人、呆然と話を聞いていた。

「どうした? パラベラム」
「え、……な、なんでもないです。ベリアルさん」
「そうか。ならいいが、ここは戦場なんた。気は落としても、命は落とさないでくれ」
「は、はい……」
「キリヤナギ」

「何か?」
「さっき、お前の監査がテントを出て行ったが……いいのか」
「……へ!? さっきまでデスクで」

キリヤナギが慌ててテントを除くと、飲み干された紅茶と待機画面のデバイスのみがあり、キリヤナギは呆れたため息をついた。
観光気分なのはいいが、立場をわきまえて欲しい。

「僕、探してきましょうか」
「……きっと、グランジがついてくれてるんだろうけど、うーん。お願いしていい?」
「はい」

「お前も苦労してるんだな……キリヤナギ」
「ご理解頂けて、言葉もありません……」

なぜ同情されているのか、逆に聞きたくなってくる。
のんきな話ではあるが、間も無く、ここは戦場になるだろう。
守るべきものを非難させなければならない。

キリヤナギは身を引き締め、再び会議机にむかう。



※※※



目が疲れ、集中力が落ちてきたカナトは。気分転換の為に一人テントをでた。
時刻は午後、進軍にはまだ時間はあり、カナトは一時間後。
ウェストフォート上空へ、スィーと避難する事になっている。
その為、冥界の大地を自由にあるけるのは恐らくこれが最後だ。
最後と言うのもカナトの安全が保障されるのは、あくまでジブルの確保まで、確保から3日は滞在期間だが、レジスタンスは1秒でも長くここに留まらせようとして来るだろう。
その時に何かあれば、本当に帰れなくなってしまう。
身の安全が保障された今のうちに、出来るだけ冥界を見てみたかった。
しかし、皆が戦闘に備える中、ひとりフォーマルな礼装に身を包むカナトは、当然のように悪目立ちする。
数多の視線を感じつつ、興味深く駐屯地を観察していると、後ろから駆け足でこちらに来る一人の人間がいた。

「カナトさん。あまり一人では……」
「……グランジか。すまない、気を使わせたな」
「保障されているとは言え、貴方の身分は高すぎる。油断しないで欲しい」
「しかし、今はただの観光客です。あまり護衛があっても、怪しまれそうで……」
「事が起きる可能性の方が高い。誰かがいれば、最悪ばれても対応できますから」
「……そう、か」
「行きたい場所があるなら、護衛します」
「ありがとう。もう少しみてみたいんだ。父上が許して下さったのも、私が冥界に初めて赴くことを存知ていたからだろう。この現実を、私は学ばなければならない……」

世界を知らないまま、外交など出来ない。
だからこそ、ウォーレスハイムは許したのだ。
政治的な意味合いがない今のうちに、世界をみて現実を知れと、

「カナトさーん!」

ふと脇を見れば後を追ってきたロードが手を振っている。
冥界の元貴族たるパラベラムの彼は、この世界をみてどう思うのだろうか。

「キリヤナギさんが心配していました」
「そうでしたか、気を使わせてしまい申し訳ございません」
「いえ、あの……これぐらいしか出来る事ないし」

俯くロードにカナトも複雑になってしまう。
パラベラムの末裔とは言え、国家が消え去ってしまった以上、貴族としての力はない。
出家した為か、ツテもないロードは頼るものもなかったのだ。

「ロード殿は、これからどちらへ?」
「僕はここに残って、何か出来る事を探そうと思っています。何もできないから……」

いい渋るロードを前に、周りのレジスタンスの目線はとてもひややなな物になっていた。
カナト自身、この世界の余所者として完全な拒絶の態度を示している。
歓迎されても断わり、好意すらも受けない態度は、無関係であると言う一つの意思表示にもなり期待をさせないものだ。
そんな態度をみせるカナトと話すロードは、同じく同族とされてしまったのか。
冥界の元貴族であるにも関わらず、余所者と馴れ合う様は、緊迫したレジスタンスにとって裏切りにも映る。
何ができるだろうかとカナトは思いを馳せた。

「ならロード殿。貴方はこの戦場をみて、何を望まれる?」
「望む?」
「この戦場で必要なもの、今の貴方が欲しているものを教えて下さい。力になりましょう」

問われてロードは少し考えた。
始めに浮かんだのは力だ。
進軍して来るDEM達を殲滅する程の力が欲しい。

「ピンとは来ないですけど、仲間が、怪我しないぐらいに強い力があればいいなとは思ってます。でも僕はそんなに戦う技術もないですし……」
「強い力……ですか」

カナトは少し考え、自身の横に居る眼帯の男に目が行った。
エミル・ホークアイのグランジ。
カナトは度々に、グランジのそれを見ていた。
ジンが難しいと言う、空中の敵を打ち落とし、天界ではキリヤナギと並ぶ身のこなしで片付ける。
その上でカナトはまだ彼の本領を知らない。

「グランジ、少し構わないか」
「何か?」
「ロード殿へ着いてくれないか?」

「へ?」
「何故? 私はカナトさんの……」

「ロード殿の、故郷と同族を守りたいと言う意思に応えたい。私は何もできないが、友人であるグランジへなら頼む事はできる」
「友人……ですか」
「そうだ。断わってくれても構わない」
「何故、私に? 他の騎士は……」
「キリヤナギの命令に刃向かう騎士とは、おまえだろう?」
「!」
「キリヤナギの命令の是非を、自身で判断して動いているのは、グランジ。おまえだけだと見ている。またキリヤナギも、対等な立場としてそれを許している。違うか?」
「許されていると言うならその通りです。私とキリヤナギは関係性に置いては対等。ですが、雇われていると言う意味では従者となる」
「キリヤナギがグランジを許すのは、従者の在り方とは別に、もう一つの違う意味があるからだろう。その意味があるからこその対等なら、グランジ。おまえは自身の意思で動く事ができる唯一の騎士だ」
「……」
「私はキリヤナギか他の騎士達と居る。ロード殿と共に冥界を守って欲しい」

グランジは一度カナトと目を合わせ、傍にいるロードにも目を向けた。
平凡なドミニオンだ。体つきも人並みで対人も得意には見えない。

「ロードさん」
「は、はい!」
「貴方は、自身が冥界で何をすべきか理解されているか?」
「何をすべきか……?」
「その意味を得た時に、またお声がけ下さい。私は戦うことしか出来ません」

戦うことしかできない。そう言われロードは顔を上げた。
戦うことしか出来ないグランジは、ロードにその意味を求めたのだ。
戦う意味。つまり理由があれば戦うと述べた裏返しにもなる。

「わかりました。ありがとうございます……!」
「ではカナトさん。部隊の城へお連れします」

「その事だが、私もこの戦場をこの目で見たい……。キリヤナギの横に居させてくれないか?」
「……危険です。城で映像がみれますから……」
「私はキリヤナギの監査だ。奴の働きをこの目で見る義務がある。それにプログラムの運用も側に居た方がいいのではないか?」
「……わかりました。司令塔となる庭へお連れしましょう」

強引だなぁと、ロードは素直に感心した。
しかし、そのおかげでグランジの協力も取り付けたかと思うと無碍にもできない。
振り返りこちらを見るカナトは、ロードが追いつくのを待っている。
自分達にここまで協力してくれる彼らへ、何ができるだろう。


※※※


巨大ロボと対峙した三名はしばらくはそれを呆然と眺めていた。
Demマザーの体に、強化外装がドッキングしたその姿は、まさにおぞましい悪魔のようにも見える。

「怖気付いたかい? ジン」
「別にそんなんじゃないっすよ……ヒルダさん」
「でも確かに、何処から攻めるかは迷うな」

「絶対負けねえぞちくしょおお!」
「とりあえず迷ったらあのバカの援護しとけ」

「え、あ、はい」

一番前にいるロディはこちらの会話など気にもとめていない。
狩においての前衛、後衛の立ち回りは大体理解しているが、対ロボの場合。まずその動きを止めなければならない。
機械における最も装甲が弱い部分を砕き崩していかなければ止めることができないからだ。
だがジンは分かる。
アクロポリスで毎日開催される混成騎士団演習。
冒険者が参加して模擬戦争をするゲームには、当然ロボ乗りのマエストロがいるからだ。
目の前にいるロボは、演習でであったものとは別物だが、試す価値はある。

「ヒルダさん。ロディさんと前衛お願いしていいっすか?」
「なんか閃いたかい?」
「できるかわかんねぇけど、とりあえずやってみる」
「わかった。ランカーの力みせてくれよ。……ロディ! あたいも行くよ!」

真正面から突っ込だロディは、ジブルのDemマザーロボの腕で受けた。
力の押し合いが始まり、ヒルダが援護射撃をいれる。

「バカの一つ覚えみたいに。真正面から来やがって」
「悪いかよ!」
「こうなるんだよ」

ジブルの懐から出て来たのは、回転式のレボルバーだった。
ヒルダはそれを確認すると、上から催涙弾を放ち目をくらませる。
靄が全てを覆う前に、ジンは弾丸を装填。
ジブルの手元を撃ち抜いた。

ヒルダが関心した声を上げ、ロディが再びジブルと組み合う。
ジンはそれを見て距離をとり、ジブルの後ろに回りこんで、撃った。
飛来した金属に、ジブルのロボはユーザーを守る為のバリアを操縦席へ構築する。

「残念だったな!」

「入った!!」

ジブルの言葉に、応えずジンが唱える。

「フレア!!」

破裂。
ジブルのロボの駆動部へ滑り込んだ弾丸は、甲高い音を立てて粉砕した。
足の関節部が砕かれ、ジブルのロボが傾く。

「なんだと……」

動きが止まれば此方の物だ。
ジンはサラマンドラに魔力を込め、最大出力で放つ。

「インパクト!」

溜め込まれた反動の全てが一つの弾丸に込められ、
強靭な金属の装甲にめり込む。
勝った。

「フレア!」

再び破裂した。
分厚い装甲は、めり込んだ弾丸の破片を逃がせず中身をかき乱す。
通電機器や基盤の全てが破壊され、DEMマザーの身体は、落ちるように駆動を止めた。
見ていたロディとヒルダは、びりびりと放電を始めたロボを呆然とみる。

「あいつ……」

ジンをみるとまだ警戒している。
ロディとヒルダも、気を引き締めジブルを観察していた。

「ちっ、使えるかと思えば結局唯の鉄屑かよ……」
「それ弱くないっすよ。硬いし、普通に弾丸弾くし、でもそんな止まってたら、すぐ関節狙われて終わりだし、あんたの操縦がヘタなだけだろ。人の所為にすんな!!」
「んだとてめぇ! 雑魚の癖に喚いてんじゃねえ」
「そんな雑魚に落とされてんじゃねーか。最高にカッコ悪いぜあんた!」

ここまで叫んでルナが膝を小突いてくる。
あまり煽るなと言いたいらしい。

「は、まぁいい。俺はおまえなんか興味はない。DEMマザーも所詮は人間にやられるゴミだと検証出来ただけで充分だ」

ジブルは手元にサイバーインターフェイスを呼び出し、打ち込みを始める。
ジンは銃を構え、確保しようと前に出るが、途端展開された大量のインターフェースに足を止めた。
映し出されたのは、外の映像だ。
治安維持部隊を含めたレジスタンスが、進軍してくるDEM部隊を迎え打っている。

「殲滅モード。開始だ!!」

ジブルがキーを叩いた直後。
緑だったインターフェースが一気に赤へ変わる。
途端、DEMたちが赤く染まり、物凄い勢いで進軍を始めた。
ジンはそれをみて、ポケットのナビゲーションデバイスから通信を飛ばす。





つづく
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